【国試直前特集その2】
スーパートマトの「国試よく出るランキング」
同率5位 「CKD(慢性腎臓病)」
こんにちは、スーパートマトです。
「国試よく出るランキング」、今日は第5位の紹介です!
同率で3つの項目が並んでいますが、
今日は「人体の構造と機能及び疾病の成りたち」「臨床栄養学」の項目である「CKD(慢性腎臓病)」を解説します。
過去4年間の国試では7回登場しています。
テーマの概要
CKD(慢性腎臓病)は、腎障害や腎機能低下が3カ月以上持続した状態のことで、
慢性腎不全(CRF)および慢性腎不全の早期段階も包括した概念でしたね.
また食事療法がCKDの進行を遅らせるのに重要であるため,
管理栄養士国試で出題されやすい疾患です.
出題傾向
国試では7回登場していますが,
主に「CKDのステージごとの食事療法」が問われています.
CKDの問題は、この数年、難易度が高くなっている傾向がみられます。
実際に比較してみましょう。
まずは2018年に出題された問題がこちらです。
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32回134番
CKD(慢性腎臓病)における成人の栄養管理に関する記述である.正しいのはどれか.1つ選べ.
(1) ステージ1では,カリウムの摂取量を制限する.
(2) ステージ2では,たんぱく質の摂取量を制限する.
(3) ステージ3では,食塩摂取量を7 g/日とする.
(4) ステージ4では,エネルギー摂取量を25 ~ 35 kcal/kg標準体重/日とする.
(5) ステージ5では,たんぱく質摂取量を0.6 g/kg標準体重/日未満とする.
正解●(4)
正答率:74.8%
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2018年は上記のようなCKDのステージごとの食事療法の知識が問われました。
CKDのなかではおさえておくべき内容ではありますが、正答率は74.8%でした。
そして、昨年2019年の国試ではこのような問題が出題されています。
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33回132番
55歳,女性.身長160cm,体重56kg,BMI21.8kg/m2.血圧150/95mmHg,推算糸球体濾過量(eGFR)93mL/分/1.73m2,尿たんぱく量0.5g/日である.
この患者の栄養管理として,食塩は5g/日とした.
1日当たりのエネルギー量とたんぱく質量の組合せである.
正しいのはどれか.1つ選べ.
エネルギー量 たんぱく質量
(kcal/ 日) (g/ 日)
⑴ 1,200 60
⑵ 1,200 80
⑶ 1,600 45
⑷ 1,600 60
⑸ 2,100 45
正 解● ⑷
正答率:69.6%
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こちらは問題文の症例の検査値からこの患者の重症度分類をした上で、
各摂取する栄養素を選ぶという思考力まで問う問題となっています。
正答率も2018年の問題から5ポイント以上低下しており、
難易度が上がってきているといえます。
また、2018、2019年と応用力試験のテーマでも
登場している(32回184,186番,33回191,192番で登場)ため
難易度が高いですが、無視できない重要テーマといえます。
CKDの出題傾向は
病態や診断基準といった基礎的な知識を問われることもあれば、
その理解を前提として考える応用力が問われる場合もあるという
幅広い出題に特徴があるといえそうです。
対策
CKDは腎臓の働きや関連する栄養素代謝についての
理解が前提になります。また、糖尿病性腎症との関連も
深いため、横断的に対策することも必要となります。
まずは基本的な知識である臓器の基礎知識などをおさえておきましょう。
その上で、『レビューブック2020』(p.316~317)や『クエスチョン・バンク2020』(p.643)にある
CKDの食事療法や各栄養素・ステージごとの摂取量をインプットしましょう。
もちろん、先程のような問題を解くためには
CKDの病態や重症度分類なども『レビューブック2020』(p.315~316)や
『クエスチョン・バンク2020』(p.640~642)でおさえておくべきです。
近年の出題傾向を踏まえると、ただ知識をインプットしていくだけでなく
「CKD患者へどう食事のアドバイス行うか」
「栄養素ではなく食品に置き換えるとどのくらい摂るべきなのか」
など、実際に栄養指導を行うことを想定して学習することが重要だといえます。
実際のCKD患者への指導については
『なぜ?どうして?③』でストーリー形式で解説していますので、
何度やっても解けない!? という方は一度読んでみるのもオススメです。
▼『なぜ?どうして?③人体の構造と機能/臨床栄養学②』6章「慢性腎臓病(CKD)」より
残り時間は少ないですが、
自分にあった方法を選んでみてくださいね!