【国試直前特集その2】
スーパートマトの「国試よく出るランキング」
同率8位 「炎症性腸疾患:クローン病,潰瘍性大腸炎」

こんにちは、スーパートマトです。

「国試よく出るランキング」、今日は最後の項目です!

 

 

「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」「臨床栄養学」の項目である
炎症性腸疾患:クローン病,潰瘍性大腸炎」を解説します。

テーマの概要

炎症性腸疾患には大きく分けてクローン病と潰瘍性大腸炎という
2つの疾患があります。

クローン病は、回盲部に好発する原因不明の炎症性腸疾患です。
10代後半~20代前半の若年者に多くみられ、栄養療法と薬物療法によって再燃を防ぐことができます。
一方、潰瘍性大腸炎は直腸や大腸にびらんや潰瘍ができる疾患で、10代後半~30代前半に好発します。
薬物療法が基本で、治療に合わせた食事指導が必要となります。

出題傾向

過去4年の国試では6回登場していますが、
2つの疾患の病態や栄養管理の違いを問う問題が多い印象です。
実際に代表的な問題をみてみましょう!

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32回129番
腸疾患の栄養管理に関する記述である.正しいのはどれか.1つ選べ.
(1) 過敏性腸症候群では,カリウムの摂取量を制限する.
(2) 潰瘍性大腸炎では,エネルギーの摂取量を制限する.
(3) 潰瘍性大腸炎では,葉酸の摂取量を制限する.
(4) クローン病では,脂質の摂取量を制限する.
(5) クローン病では,ビタミンB12の摂取量を制限する.
正 解● (4)
正答率:98.2%,

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本文では両疾患の栄養管理の知識が幅広く問われていますが、
特に代表的な栄養制限が正答だったため正答率は高くなっています。

ちなみに、応用力問題で「クローン病」の症例(31回190~191番)が登場したこともあり、
このときは病状に合った栄養補給法や食事内容まで掘り下げた問題だったため、
正答率も70%前後とすこし低めでした。

対策

これら2つの疾患は、
・病態が類似しているものの、異なる疾患である
・食事療法が関係し、病状によって方法も変わる
という面から国家試験でも狙われやすいテーマといえます。

特に栄養補給法については、それぞれの違いを踏まえて
しっかり頭に入れておくとよいでしょう。
『レビューブック』2020(p.264~268)や
『クエスチョン・バンク』2020(p.614~616)で対策しましょう。

またこの4年間で、腸の疾患は炎症性腸疾患以外にも「イレウス」(1回)、
「たんぱく漏出性胃腸症」(2回)、「過敏性腸症候群」(3回)と
他の臓器よりも頻繁に問われています。
腸疾患はそれぞれの違いを意識して全体的にカバーしておくことをオススメします。