今回は 「よく出るテーマランキング」 第7位 「細菌性食中毒」を紹介します!
テーマ概要
食中毒とは、飲食物を介して摂取された病原体やその毒素、有害な化学物質により、比較的急性に起こる胃腸炎症状などの健康被害の総称で、細菌が原因となるものを「細菌性食中毒」といいます。発生機序により、「感染型」と「毒素型」に分けられます。
『レビューブック管理栄養士2021』ではp488~489に掲載されています。
出題傾向
細菌性食中毒では、「特定の食中毒菌について」掘り下げられている問題や、「食中毒菌とその毒素、または原因食品」などの組み合わせから正しいものを選ぶ問題、分類についての問題まで出題のされ方が多岐に渡ります。
過去5年(30~34回)では、選択肢ごとに33回出題され、ほぼ毎回出題されているといってよいでしょう。
①カンピロバクター(RB-p488表)
カンピロバクターは、細菌性食中毒では最も多い原因物質です。そのため、管理栄養士が知っておくべき知識としてよく出題されていると考えられます。「カンピロバクターそのものの特徴」から、「潜伏期間」「症状」まで出題され得るので、一度カンピロバクターについてまとめて復習しておくことが良いでしょう。
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32回57問
カンピロバクターとそれによる食中毒に関する記述である.正しいのはどれか.1つ選べ.
(1) 潜伏期間は,サルモネラ菌よりも短い.
(2) 大気中で増殖する.
(3) 耐熱性エンテロトキシンを産生する.
(4) 芽胞を形成する.
(5) 人畜共通感染症の原因菌である.
正解(5)
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②腸管出血性大腸菌感染症(RB-p488表)
腸管出血性大腸菌は、病原性大腸菌の中で、ベロ毒素を産生する菌の総称です。主に「O157」で発生します。「潜伏期間」「感染が成立する菌数」「症状」「合併症」を問うものまで出題されているので、カンピロバクターと同様に、一度「腸管出血性大腸菌感染症」についてまとめて復習しておくのがおすすめです。
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33回56問
腸管出血性大腸菌による食中毒に関する記述である.誤っているのはどれか.1つ選べ.
⑴ 少量の菌数でも感染する.
⑵ 毒素は,テトロドトキシンである.
⑶ 潜伏期間は,2~10日間程度である.
⑷ 主な症状は,腹痛と血便である.
⑸ 溶血性尿毒症症候群(HUS)に移行する場合がある.
正解(2)
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③食中毒菌とその毒素、原因食品(RB-p488表)
”カンピロバクター”や”腸管出血性大腸菌”以外の細菌でも、①②で挙げたポイントで出題されることはあり得ますが、多くは「毒素」「原因食品」との組み合わせが問われています。特に原因食品では、単に組み合わせを覚えるのも良いですが、その細菌が何由来であるか、どういった環境で生育・増殖しやすいのかによって、おおよそ見当をつけられるようになると思うので、そういった復習をしてみてもよいでしょう。
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31回55問
食中毒の原因菌と原因食品の組合せである.正しいのはどれか.1つ選べ.
(1) 腸管出血性大腸菌・・・卵焼き
(2) サルモネラ属菌・・・しめさば
(3) 腸炎ビブリオ・・・あゆの塩焼き
(4) ボツリヌス菌・・・ソーセージの缶詰
(5) 下痢型セレウス菌・・・はちみつ
正解(4)
33回55問
細菌性およびウイルス性食中毒に関する記述である.正しいのはどれか.1つ選べ.
⑴ ウェルシュ菌は,通性嫌気性芽胞菌である.
⑵ 黄色ブドウ球菌の毒素は,煮沸処理では失活しない.
⑶ サルモネラ菌による食中毒の潜伏期間は,5~10日程度である.
⑷ ノロウイルスは,乾物からは感染しない.
⑸ カンピロバクターは,海産魚介類の生食から感染する場合が多い.
正解(2)
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対策
細菌性食中毒での問題は、特定の細菌について深堀りした問題や、原因の食品となりうるものなどテーマを絞った問題など出題のされかたが様々です。どんな問題が出題されても良いように、食中毒を引き起こす菌の特徴(何型か、潜伏期間など)、食中毒を起こしたときの所見・症状(消化器症状の違い)、予防方法(原因食品の保存の仕方、調理の仕方など)をできるだけたくさん覚えておきたいです。
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