今回は 「よく出るテーマランキング」 第3位 「咀嚼・嚥下障害」を紹介します!
テーマ概要
咀嚼・嚥下障害は,嚥下機能が器質的あるいは機能的に障害されることを指します。器質的障害の原因には炎症や腫瘍などがあり、機能的障害の原因としては脳血管疾患や神経系疾患などがあります。咀嚼・嚥下障害は食事に関わるので,出題されやすい項目といえます。
出題傾向
ここで取り上げる「咀嚼・嚥下障害」は「臨床栄養学」だけでなく、「応用栄養学」でも咀嚼・嚥下機能が低下しやすい高齢者の特徴の一つとして出題されています。臨床栄養学では、「嚥下障害に対する食事指導」、応用栄養学では「高齢者の生理的特徴・栄養上の注意点」がよく出題されています。
過去5年分(31~35回)では、37の選択肢で出題されており、毎回出題があるといっても良いでしょう。
①高齢者の生理的特徴・栄養上の注意点(RB-p702~)
食事に関わる「咀嚼・嚥下機能」を中心として、高齢者の生理機能の変化をしっかり理解しましょう。そしてそれが栄養上なぜ問題なのかをあわせて理解し、どのように対策すればよいか一連の流れで考えられるようになると良いでしょう。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
30回96問
高齢者の口腔機能と栄養に関する記述である.誤っているのはどれか.1つ選べ.
(1) そしゃく機能に障害のある者は,誤嚥しやすい.
(2) 水やお茶などは,誤嚥しにくい.
(3) 酸味の強い食べ物は,誤嚥しやすい.
(4) 凝集性は,嚥下調整食の物性指標である.
(5) 嚥下障害は,低栄養のリスク因子である.
正解(2)
31回95問
K介護保険施設に勤務する管理栄養士である.デイサービス利用者の食事指導を実施している.対象者は,76歳,女性.身長150cm,体重42kg,BMI18.7kg/m2.この1年間で体重が2kg減少した.最近,歩行速度が遅くなり,疲労感が強くなった.この利用者に対して,食事バランスガイドを用いて普段の食生活をたずねた.特に留意すべき料理区分として,最も適切なのはどれか.1つ選べ.
(1) 主食
(2) 主菜
(3) 副菜
(4) 菓子・嗜好飲料
正解(2)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
②嚥下障害に対する食事指導(RB-p817)
嚥下しやすい食品と嚥下しにくい食品の特徴を実際の食品の例と併せて覚えておきましょう。嚥下のしやすさ、しにくさについては、「咀嚼・嚥下のしくみ」を理解しておくと、「なぜ、嚥下しやすいのか、しにくいのか」がよくわかるようになると思います。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
34回95問
嚥下機能が低下している高齢者において,最も誤嚥しやすいものはどれか.1つ選べ.
⑴ 緑茶
⑵ ミルクゼリー
⑶ 魚のムース
⑷ 野菜ペースト
正解(1)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
対策
このテーマでは、「咀嚼・嚥下機能」に異常をきたすと「何が起こるのか」「食事や栄養状態にどう影響するのか」そして、それを「予防・改善」するためにはどうすればよいのか、を一連の流れで理解しておく必要があります。
咀嚼・嚥下障害の知識は『レビューブック2022』(p815~820)や『クエスチョン・バンク2022』(p706~709)に、高齢者の生理的特徴や栄養上の注意点は『レビューブック2022』(p702~703)、『クエスチョン・バンク2022』(p592~596)に分かりやすくイラストや図表でまとまっています。まずはこちらで基礎を理解して、その後は長文の問題に慣れるよう過去問や模試の問題を何度も解いて対策しましょう!
また『なぜ?どうして?②人体の構造と機能/臨床栄養学①』でも咀嚼・嚥下について丁寧に説明しています。
ぜひチェックしてみてくださいね!
▼ 『なぜ?どうして?②人体の構造と機能/臨床栄養学①』4章 嚥下のしくみ「食べるために必要な機能」(p110~)
>>ランクインした他のテーマはコチラ
第1位:大量調理施設衛生管理マニュアル
第2位:栄養補給法
第3位:カウンセリングの基礎的技法
第4位:CKD(慢性腎臓病)
第6位:食事摂取基準策定の基礎理論
第7位:糖尿病
第8位:細菌性食中毒
第8位:エネルギー・栄養素別食事摂取基準
第10位:脂質異常症
第10位:トータルシステムとサブシステム