今回は 「よく出るテーマランキング」 第8位 「エネルギー・栄養素別食事摂取基準」を紹介します!
テーマ概要
「エネルギー・栄養素別食事摂取基準」は、エネルギーや各栄養素の指標の策定された値や方法に関するテーマです。
『レビューブック管理栄養士2022』では、660~673ページに掲載されています。
なお、「日本人の食事摂取基準2020年版」ではp51~373にあたります。
出題傾向
「エネルギー・栄養素別食事摂取基準」は、過去5年分(31-35回)では、32選択肢が出題されているテーマです。このテーマでは、①「どの栄養素で」「何歳以上で」「どの指標が」策定されているのか、②策定の際に参考にした数値は何かが問われます。どの栄養素もまんべんなく出題されますが、ビタミンやエネルギー産生栄養素、ライフステージごとの策定で特徴がある基準値がよく問われる傾向にあります。
①主なビタミンの算出方法のポイント(RB-p664~665)
ビタミン類について、「どの指標について」「何の数値を参考に算出しているか」について、主に問われます。また、ライフステージごとに策定している指標が異なったり、指標によって摂取源が異なったりする場合もあるので、注意しましょう。
また、指標や算定方法を軸に複数のビタミンを比較するような問題が出題されるので、違いをきちんとおさえているかが重要です。ビタミンの中には、指標によって算定で参考にしている物質や算定方法が異なることがあるので、国試の出題を参考にしながらひとつずつ覚えるようにしましょう。
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32回87問改
日本人の食事摂取基準(2020年版)における,ビタミンの耐容上限量(UL)に関する記述である.正しいのはどれか.1つ選べ.
(1) ビタミンAでは,カロテノイドを含む.
(2) ビタミンEでは,α-トコフェロール以外のビタミンEを含む.
(3) ナイアシンでは,ナイアシン当量としての量で設定されている.
(4) ビタミンB6では,食事性ビタミンB6としての量で設定されている.
(5) 葉酸では,プテロイルモノグルタミン酸としての量で設定されている.
正解(5)
30回87問改
日本人の食事摂取基準(2020年版)における水溶性ビタミンの推定平均必要量(EAR)の設定根拠に関する記述である.正しいのはどれか.2つ選べ.
(1) ビタミンB1は,脚気を予防できる最小摂取量から算定された.
(2) ビタミンB2は,尿中ビタミンB2排泄量が増大し始める摂取量から算定された.
(3) ナイアシンは,ペラグラを予防できる最小摂取量から算定された.
(4) ビタミンB12は,尿中ビタミンB12排泄量が増大し始める摂取量から算定された.
(5) ビタミンCは,壊血病を予防できる最小摂取量から算定された.
正解(3)
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②エネルギー産生栄養素バランス(RB-p667)
主に、たんぱく質、脂質、炭水化物の目標量の設定方法や、年代ごとの違いについて、問われます。ライフステージ別の栄養でも、「●歳頃で、~~という栄養素のAIが高くなる」「成人期と比べて、~~という栄養素のDGは低い」といった切り口で登場します。ライフステージごとの特徴も合わせておさえておきましょう。
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30回88問改
日本人の食事摂取基準(2020年版)におけるエネルギー産生栄養素バランスに関する記述である.誤っているのはどれか.1つ選べ.
(1) エネルギー産生栄養素バランスは,目安量(AI)として設定された.
(2) 炭水化物のエネルギーには,アルコールを含む.
(3) たんぱく質の下限は,推奨量(RDA)以上であると設定された.
(4) 脂質の上限は,飽和脂肪酸の目標量(DG)を考慮して設定された.
(5) 活用時には,基準とした値の幅を柔軟に用いる.
正解(1)
34回92問
幼児期,学童期の栄養に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
⑴ 1歳半までに,咀嚼機能は完成する.
⑵ 幼児期には,間食を好きなだけ摂取させる.
⑶ 学童期の基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)は,幼児期より低い.
⑷ 学童期の肥満は,成人期の肥満と関連しない.
⑸ 学童期のたんぱく質の目標量は,25 ~ 30% E である.
正解(3)
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対策
まずは、問題演習を繰り返して、この分野の出題形式と傾向を把握しましょう。そのうえで、参考書を読んで出題形式や傾向を意識して覚えていきましょう。また、「妊産婦の葉酸の付加量はサプリメントで摂ることに限定して設定している」など、仲間外れを探して覚えておくのもお勧めです。
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