【国試直前特集その1】
新出題基準の変更点をおさえよう!~総論~
はじめに
今年は、新しい管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)が適用される最初の年です。
受験生のみなさんも、試験対策を進めるなかで耳にしたことがあるかと思います。
出題基準が変わるとどうなるか?
かんたんに言えば「科目ごとの問題数の変更」や
「出題項目(内容)の変更」などが起こります。
科目ごとの問題数の変更
今回の改定で厚生労働省が発表している資料管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会報告書をチェックしてみてみると
今回の改定では「管理栄養士の今後の方向性を踏まえた上で、主に科目横断的な事項(出題数の配分等)を中心とした見直しを行った」*と発表しています。
科目横断的な事項と難しい言い回しですが、
要は複数の科目の内容を組み合わせて考える力を問う国試にする
という意味で捉えるといいかもしれません。
複数の科目の内容を組み合わせて考える……
これって応用力試験のことがイメージされませんか。
実際この発表のとおり、
今回応用力試験の問題数が10問増えることになりました。
ただでさえ難易度の高かった応用力試験が20問から30問に増えたことにより、
国家試験の難易度や合格率にも大きな影響がでるかもしれません。
また応用力試験の問題数が増えたことに伴い、各科目の出題数も変更されています。
▼34回国家試験での出題数の配分
科目 | 出題数 | 前回との差 |
社会・環境と健康 | 16 | -1 |
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち | 26 | -1 |
食べ物と健康 | 25 | +-0 |
基礎栄養学 | 14 | +-0 |
応用栄養学 | 16 | +-0 |
栄養教育論 | 13 | -2 |
臨床栄養学 | 26 | -2 |
公衆栄養学 | 16 | -2 |
給食経営管理論 | 18 | -2 |
応用力試験 | 30 | +10 |
計 | 200問 | +-0 |
<厚生労働省:管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会報告書より>
この科目別問題数の変更が、今回の出題基準改定で最も大きな変化といえそうです。
★応用力試験の対策については、後日特集記事を発信する予定です!
出題内容の変更
次に出題内容の変更についてみてみましょう。
これまでの出題基準改定では、
改定にともなって大幅に内容の追加や変更が行われた年もあるのですが、
今回は前述の目的が主の改定だったためか
出題内容の追加・変更は
それほど多くなかった印象です。
とはいえ変更があったのは確かで、
実際に前回の出題基準と今回の基準を一つひとつ突き合わせてみると
注目するべき追加・変更項目がみられました.
前回と今回とで比較をしてみると、
今回は「社会・環境と健康」「栄養教育論」
「公衆栄養学」の
3つの科目に重要な変更があった印象を持ちました。
さらに細かい内容としては疫学や統計学、公衆衛生などが関連する小項目での変更が目立ったのですが、
これは前述の資料で出題基準改定の基本的な考え方として
「エビデンスやデータを基にした論理的思考の重要性」が
明記されていたことと関連がありそうです。
つまり管理栄養士として、
疫学研究や公衆栄養プログラムなどで得られたデータを正しく活用して、対象者(とくに集団)の健康状態を把握し、プランを考える能力を重視する、
ということかもしれません。
各科目の主な追加・変更項目のリストを詳しく見たい方はこちらをクリック!
次回から数回程度、追加・変更された出題項目のなかで
特におさえたいテーマをピックアップして紹介していきますね!