よく出るテーマランキング」は過去10年分の国試出題内容を分析した出題頻度のランキングです。
ランキング上位に入ったテーマは”ほぼ”毎年出題されているテーマなので、必ず得点できるようにしましょう!

今回は 「よく出るテーマランキング」 第1位 「慢性腎臓病(CKD)/慢性腎不全(CRF)」を紹介します!

目次

●テーマの概要
●出題傾向・過去問にチャレンジ
●対策
●ランクインした他のテーマ

 

テーマの概要

慢性腎臓病(CKD)/慢性腎不全(CRF)は、腎障害やGFRの低下が3ヵ月以上持続した状態。食事療法が重要で管理栄養士国試で特に出題されやすい疾患です。

『レビューブック管理栄養士2026』ではp329~331に掲載されています。

 

出題傾向・過去問にチャレンジ

 電子版QBで問題を解く 

①慢性腎臓病の食事療法(RB2026 p331)(QB2026 p244)

慢性腎臓病の食事療法では、十分なエネルギー摂取と、たんぱく質・食塩の制限が大きなポイントです。たんぱく質制限では、窒素出納に配慮しつつ、十分にエネルギー摂取量を確保する必要があるため「推定たんぱく質摂取量」等を評価することが重要です。また、37回の国試では「推定食塩摂取量」についても出題されました。それぞれの算出方法についても復習しておきましょう。

::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[39回126問]
45歳,女性.会社員.CKD.身長153 cm,体重50 kg,BMI 21.4 kg/m².血圧145/92 mmHg.食塩摂取量を推定するために24時間蓄尿を行ったところ,尿量1.0 L,尿中ナトリウム濃度255 mEq/Lであった.この患者の尿中食塩排泄量(g/日)として,最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 5
(2) 8
(3) 10
(4) 12
(5) 15

正解(5

[39回181問]
K透析クリニックに勤務する管理栄養士である.患者は,68歳,男性.15年前から高血圧症とCKDで通院加療し,食事療法を続けてきたが,病態が悪化してきたため当クリニックに転院し,週3回の血液透析に移行した.身長165 cm,ドライウェイト65 kg,標準体重60 kg.尿量300 mL/日.血圧170/95 mmHg.透析開始前の血液検査値は,総たんぱく質6.8 g/dL,アルブミン3.3 g/dL,尿素窒素86 mg/dL,クレアチニン8.6 mg/dL,ナトリウム140 mEq/L,カリウム5.2 mEq/L,リン4.8 mg/dL,HbA1c 5.5 %.
血液透析導入後の食事について,栄養食事指導を行った.この患者における指示たんぱく質量と指示カリウム量の組合せである.最も適切なのはどれか.1つ選べ.

たんぱく質 カリウム
(g/日) (mg/日)
(1) 35 1,500
(2) 70 1,500
(3) 35 2,000
(4) 70 2,000

正解(4

[38回130問]
40歳,女性.腹膜透析患者.BMI 22.0 kg/m²,標準体重50 kg.腹膜吸収グルコースのエネルギー量は,300 kcal/日.この患者の食事における目標栄養量の組合せである.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

エネルギー たんぱく質
(kcal/日)   (g/日)
(1) 1,400 ――― 30
(2) 1,400 ――― 50
(3) 1,700 ――― 30
(4) 1,700 ――― 50
(5) 1,700 ――― 70

正解(2

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②推算糸球体濾過量(eGFR)(RB2026 p330)(QB2026 p234)

慢性腎臓病(CKD)の重症度は、原疾患、糸球体のろ過能力(GFR)、蛋白尿の有無により判断されます。GFRは、24時間の蓄尿が必要ですが、慢性腎臓病の重症度分類には、血液検査(血清クレアチニン値または血清シスタチンC値)と年齢、性別によって簡易に推定するeGFRが用いられます。慢性腎臓病は重症度によって目標栄養量が異なるため、まずはeGFRで重症度が判断できるようになっておきましょう。

::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[39回127問]
62歳,男性.無職.糖尿病腎症.身長165 cm,体重63 kg,目標体重60 kg.血圧148/92 mmHg.空腹時の血液検査値は,血糖151 mg/dL,HbA1c8.4 %,尿素窒素38 mg/dL,クレアチニン1.3 mg/dL,eGFR45 mL/分/1.73 m²,カリウム5.7 mEq/L.尿アルブミン/クレアチニン比350 mg/gCr.この患者の1日当たりの目標栄養量として,最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) エネルギーは,2,200 kcalとする.
(2) たんぱく質は,30 gとする.
(3) 脂肪は,20 gとする.
(4) 食塩は,7.5 gとする.
(5) カリウムは,1,800 mgとする.

正解(5

[37回126問]
55歳,女性.標準体重55kgのCKD患者.eGFR40mL/分/1.73 m².この患者の1日当たりの目標栄養量の組合せである.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

エネルギー   たんぱく質
(kcal/日)    (g/日)
(1) 1,700 ・・・・30
(2) 1,700 ・・・・40
(3) 2,100 ・・・・30
(4) 2,100 ・・・・40
(5) 2,400 ・・・・40

正解(2

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③腎機能低下に伴い生じ得る症状(RB2026 p330)(QB2026 p240)

腎機能が低下するとどのような症状が出現し何に影響するのか、を知っておかなければ、「なぜエネルギーはこの設定なのか」「なぜたんぱく制限するのか」に結びつかないかもしれません。どのような流れで症状が出てしまうのかをしっかり理解した上で、このテーマを解いていくとよいでしょう。

::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[39回030問]
腎・尿路系の構造と機能に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 1個の腎臓には,約1万個のネフロンがある.
(2) ヘンレ係蹄は,遠位尿細管と集合管との間に存在する.
(3) 近位尿細管では,グルコースが再吸収される.
(4) 健常成人の1日当たりの糸球体濾過量は,約1.5 Lである.
(5) 健常成人の尿比重は,1.100以上に調節されている.

正解(3

[38回030問]
腎・尿路系疾患に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 急性糸球体腎炎の多くは,A群β溶血性連鎖球菌感染が関与する.
(2) 血圧値は,ネフローゼ症候群の診断基準に含まれる.
(3) 出血性ショックは,腎後性の急性腎障害(AKI)の原因になる.
(4) 慢性腎不全では,低リン血症がみられる.
(5) 末期腎不全の合併症に,二次性副甲状腺機能低下症がある.

正解(1

[37回031問]
腎・尿路系の構造と機能に関する記述である.
最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 赤血球は,糸球体基底膜を通過する.
(2) 1日当たりの糸球体濾過量は,約1.5Lである.
(3) eGFRの算出には,24時間蓄尿が必要である.
(4) 尿のpHの変動は,血液のpHの変動より大きい.
(5) レニンの分泌は,循環血漿量が減少すると抑制される.

正解(4
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対策

腎臓病の重症度分類(CKD分類)と、それに対応したエネルギー、たんぱく質、食塩、カリウム、リンなどの目標栄養量を確実に覚えることが重要です。また、eGFRや推定食塩摂取量の計算方法も復習しておきましょう。

★ランクインした他のテーマはこちら★

第1位 慢性腎臓病(CKD)/慢性腎不全(CRF)
第2位 糖尿病
第3位 栄養教育の評価
第4位 大量調理施設衛生衛生管理マニュアル
第5位 授乳・離乳の支援ガイド
第6位 内分泌疾患総論
第7位 嚥下障害
第8位 栄養アセスメントの具体的方法
第9位 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
第10位 ビタミン[基礎栄養]