よく出るテーマランキング」は過去10年分の国試出題内容を分析した出題頻度のランキングです。
ランキング上位に入ったテーマは”ほぼ”毎年出題されているテーマなので、必ず得点できるようにしましょう!

今回は 「よく出るテーマランキング」 第6位 「内分泌疾患総論」を紹介します!

目次

●テーマの概要
●出題傾向・過去問にチャレンジ
●対策
●ランクインした他のテーマ

テーマの概要

内分泌疾患総論は、ホルモンの過剰または欠乏により、体内のホメオスタシスが乱れ、様々な症状を呈する疾患の総称です。食事療法が必要な疾患もあるため、管理栄養士国家試験での出題品ども高いと考えられます。

『レビューブック管理栄養士2026』ではp338~345に掲載されています。

 

出題傾向・過去問にチャレンジ

①クッシング症候群(RB2026 p344,345)(QB2026 p253~255)

コルチゾール(副腎皮質ホルモンのひとつ)の過剰分泌を呈する病態の総称です。高血糖、脂質異常症、低カリウム血症がみられます。原因と症状、病態を合わせて確認しておきましょう。

::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[38回031問]
ホルモンと内分泌疾患に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 黄体形成ホルモン(LH)は,排卵を抑制する.
(2) ドーパミンは,プロラクチンの分泌を抑制する.
(3) 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)では,高ナトリウム血症がみられる.
(4) 先端巨大症では,血中成長ホルモン値が低値である.
(5) クッシング病では,血中副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)値が低下する.

正解(2

[35回127問]
クッシング症候群で低下する検査値である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 血圧
(2) 血糖
(3) 血清コレステロール
(4) 尿中デオキシピリジノリン
(5) 骨密度

正解(5

[33回035問]
内分泌疾患に関する記述である.正しいのはどれか.1つ選べ.

(1) 原発性アルドステロン症では,高カリウム血症がみられる.
(2) 甲状腺機能亢進症では,徐脈がみられる.
(3) ADH不適切分泌症候群(SIADH)では,高ナトリウム血症がみられる.
(4) 褐色細胞腫では,低血糖がみられる.
(5) クッシング症候群では,中心性肥満がみられる.

正解(5
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②バセドウ病(RB2026 p339~341)(QB2026 p255~259)

甲状腺機能刺激ホルモン(TSH)受容体に対する自己抗体が持続的に甲状腺を刺激することで、甲状腺ホルモン産生が亢進する甲状腺機能亢進症です。全身の代謝,活動性,腸蠕動が亢進します。病態,症状,食事療法を確認しておきましょう。

::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[39回032問]
甲状腺・副甲状腺の疾患に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) バセドウ病では,血中LDLコレステロール値が上昇する.
(2) バセドウ病では,血中甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する.
(3) 橋本病では,基礎代謝が亢進する.
(4) 副甲状腺機能亢進症では,腎臓におけるカルシウム再吸収が抑制される.
(5) 副甲状腺機能低下症では,テタニーが起こる.

正解(5

[38回131問]
甲状腺疾患の病態と栄養管理に関する記述である.
最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) バセドウ病では,血中甲状腺ホルモン値が低値である.
(2) バセドウ病では,エネルギーは15~20 kcal/kg標準体重/日とする.
(3) 橋本病では,血中総コレステロール値が低下する.
(4) 橋本病では,浮腫を認める.
(5) 橋本病では,TSH受容体抗体陽性となる.

正解(4

[33回134問]
バセドウ病に関する記述である.正しいのはどれか.1つ選べ.

(1) 基礎代謝量が低下する.
(2) 腸管蠕動運動が減弱する.
(3) 血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する.
(4) 血清遊離トリヨードサイロニン(FT3)値が上昇する.
(5) 血清総コレステロール値が上昇する.

正解(4
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③甲状腺機能低下症(慢性甲状腺炎[橋本病],クレチン症[先天性甲状腺機能低下症]など)(RB2026 p341,342)(QB2026 p258,259)

甲状腺ホルモンの作用不足による疾患の総称です。バセドウ病と反対に,全身の代謝,活動性,腸蠕動が低下します。症状と食事療法を確認しておきましょう。

::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[37回033問]
内分泌疾患とホルモンに関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 尿崩症では,バソプレシンの分泌が増加する.
(2) 原発性副甲状腺機能亢進症では,血清リン値が低下する.
(3) 原発性アルドステロン症では,血漿レニン活性が上昇する.
(4) アジソン病では,コルチゾールの分泌が増加する.
(5) 褐色細胞腫では,カテコールアミンの分泌が減少する.

正解(2

[36回041問]
自己免疫疾患に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 全身性エリテマトーデスは,男性に多い.
(2) 全身性エリテマトーデスは,日光浴で寛解する.
(3) 1型糖尿病では,インスリン分泌が亢進する.
(4) 強皮症では,レイノー現象がみられる.
(5) シェーグレン症候群では,唾液分泌が増加する.

正解(4
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対策

ホルモンの種類、分泌臓器、主な作用、およびそのホルモン過剰/欠乏によって引き起こされる代表的な疾患(クッシング症候群、バセドウ病、橋本病、原発性アルドステロン症など)を整理して覚えましょう。特に、それぞれの疾患の代表的な症状(体重変化、血圧、カリウム、基礎代謝など)と食事療法のポイントを関連付けて理解することが重要です。

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