

「よく出るテーマランキング」は過去10年分の国試出題内容を分析した出題頻度のランキングです。
ランキング上位に入ったテーマは”ほぼ”毎年出題されているテーマなので、必ず得点できるようにしましょう!
今回は 「よく出るテーマランキング」 第2位 「糖尿病」を紹介します!

目次
●テーマの概要
●出題傾向・過去問にチャレンジ
●対策
●ランクインした他のテーマ
テーマの概要
糖尿病は、インスリンの分泌障害やインスリン抵抗性の亢進により、慢性の高血糖状態となる疾患です。成因により、1型糖尿病と2型糖尿病に大別されます。
『レビューブック管理栄養士2026』ではp233~245に掲載されています。
出題傾向・過去問にチャレンジ
①糖尿病の食事療法(RB2026 p240)(QB2026 p176~179)
食事療法は、『糖尿病治療ガイド』で設定されている基準を覚えましょう。エネルギー摂取量、エネルギー産生栄養素量だけでなく、合併症予防のため留意することなど幅広く出題されています。
また、糖尿病の食事療法は「糖尿病食事療養のための食品交換表」を用いて栄養指導を行います。そのため、食品交換表の詳細を問う問題も出題されています。
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[38回122問]
80歳,女 性.2型 糖 尿 病.身 長140 cm,体 重45 kg,BMI 23.0 kg/m².血液検査値は,HbA1c 6.8 %.活動は軽労作.この患者の1日当たりの指示エネルギー量(kcal)とたんぱく質量(g)の組合せである.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
エネルギー たんぱく質
(kcal/日) (g/日)
(1) 1,000 ・・・・・・ 45
(2) 1,000 ・・・・・・65
(3) 1,200 ・・・・・・45
(4) 1,400 ・・・・・・45
(5) 1,400 ・・・・・・65
正解(5)
[33回125問]
55歳,男性.身長170cm,体重65kg,BMI22.5kg/m2,普通の労作.血糖コントロール不良により強化インスリン療法(毎食前超速効型インスリンと就寝前持続型インスリンを注射)が導入された2型糖尿病患者の栄養管理に関する記述である.誤っているのはどれか.1つ選べ.
(1) エネルギー摂取量は,30~35kcal/kg標準体重/日とする.
(2) 炭水化物エネルギー比率は,50~60%Eとする.
(3) 食事はインスリン注射後,直ちに摂取する.
(4) 低血糖発作時には,ブドウ糖を摂取する.
(5) シックデイ時には,水分の摂取量を制限する.
正解(5)
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②経口血糖降下薬(RB2026 p239)(QB2026 p175)
主に2型糖尿病で、”食事療法”、”運動療法”でコントロールできない場合に”薬物療法”が用いられます.「〇〇薬は△△(臓器)で✕✕✕(作用)をする」のように、薬の名称・作用臓器・特徴(作用機序)をまとめて覚えておきましょう。
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[39回119問]
糖尿病治療薬とその主作用に関する記述である.誤っているのはどれか.1つ選べ.
(1) α-グルコシダーゼ阻害薬は,二糖類の分解を抑制する.
(2) SGLT2阻害薬は,尿細管での糖再吸収を抑制する.
(3) ビグアナイド薬は,肝臓での糖新生を抑制する.
(4) GLP-1受容体作動薬は,インクレチン分解を抑制する.
(5) スルホニル尿素(SU)薬は,インスリン分泌を促進する.
正解(4)
[37回119問]
糖尿病治療薬の主作用に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
(1) SGLT2阻害薬は,腎臓でのグルコースの再吸収を促進する.
(2) チアゾリジン薬は,インスリン抵抗性を改善する.
(3) ビグアナイド薬は,インスリン分泌を促進する.
(4) GLP-1受容体作動薬は,インクレチン分解を促進する.
(5) スルホニル尿素(SU)薬は,腸管でのグルコースの吸収を抑制する.
正解(2)
[31回125問]
糖尿病治療薬とその作用の組合せである.誤っているのはどれか.1つ選べ.
(1) ビグアナイド薬・・・肝臓での糖新生の抑制
(2) チアゾリジン薬・・・消化管での糖吸収の抑制
(3) スルホニル尿素薬(SU薬)・・・インスリン分泌の促進
(4) DPP-4阻害薬・・・インクレチン分解の抑制
(5) SGLT2阻害薬・・・腎臓での糖再吸収の抑制
正解(2)
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③糖尿病の合併症(RB2026 p235,236)(QB2026 p174)
糖尿病では,高血糖の持続により慢性合併症が生じます.網膜症,腎症,神経障害のような,糖尿病の慢性合併症の発生機序を理解しておきましょう。
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[38回024問]
糖尿病の合併症に関する記述である.誤っているのはどれか.1つ選べ.
(1) 高浸透圧高血糖状態は,急性合併症である.
(2) 糖尿病網膜症の初期にみられる自覚症状は,失明である.
(3) 浮腫は,腎症の症状である.
(4) 起立性低血圧は,神経障害の症状である.
(5) 急性心筋梗塞は,大血管障害である.
正解(2)
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④糖尿病の診断基準(RB2026 p234,235)(QB2026 p171)
糖尿病の診断には,高血糖の診断(血糖値検査)と高血糖が慢性であること(HbA1cなど)の診断が必要です.検査値から糖尿病なのか判断できるよう,診断基準の項目と数値を確認しておきましょう。
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[39回187問]
K診療所に勤務している管理栄養士である.患者は,80歳,男性.妻(75歳)と同居.中等度認知症.糖尿病でインスリン治療を行っており,妻が管理している.月に1回,外来受診し,医師からエネルギー 1,600 kcal/日を指示されている.車椅子での移動で,食事は自立している.妻が用意する3食の食事はきちんと食べている.甘い菓子が好きで,間食を楽しみにしている.受診時,身長158 cm,体重62 kg,BMI 24.8 kg/m².血圧120/70 mmHg.空腹時の血液検査値は,アルブミン3.9 g/dL,血糖280 mg/dL,HbA1c 10.0 %,トリグリセリド200 mg/dL,AST 18U/L,ALT 22U/L,尿素窒素10.2 mg/dL,クレアチニン0.8 mg/dL.
この患者の血糖コントロール目標(HbA1c値)として,最も適切なのはどれか.1つ選べ.
(1) 6.5 %未満
(2) 6.5 ~ 7.5 %未満
(3) 7.0 ~ 8.0 %未満
(4) 7.5 ~ 8.5 %未満
正解(4)
[32回181問]
K内科クリニックに勤務する管理栄養士である.居宅療養管理指導を行っている.患者は,84歳,女性.約30年前に糖尿病を発症し,現在は1,200 kcalの食事療法と毎食,食前に即効型インスリンの薬物療法で治療を続けている.糖尿病網膜症により視力はほとんどないために,87歳の夫が食事を作って食べさせ,一緒に入浴するなど,日常生活のほとんどを介護している.
身長147 cm,体重52 kg,血圧138/94 mmHg.空腹時血液検査値は,アルブミン4.0 g/dL,血糖118 mg/dL,HbA1c 7.1%,トリグリセリド95 mg/dL,総コレステロール175 mg/dL,LDL-コレステロール105 mg/dL,HDL-コレステロール48 mg/dL,尿素窒素16 mg/dL,クレアチニン0.7 mg/dL.
患者の栄養アセスメントの結果である.正しいのはどれか.1つ選べ.
(1) 脂質異常症にあてはまる.
(2) 標準体重の範囲を超えている.
(3) 低栄養状態である.
(4) 糖尿病腎症が進展している.
(5) 血糖のコントロールは良好である.
正解(5)
[35回024問]
臨床検査に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
(1) C 反応性たんぱく質(CRP)の血中濃度は,炎症があると低下する.
(2) 血中尿素窒素は,たんぱく質の異化亢進で減少する.
(3) 胆道が閉塞すると,血中で間接ビリルビンが優位に増加する.
(4) 臓器移植では,ヒト白血球型抗原(HLA)の適合を判定する.
(5) 75 g 経口ブドウ糖負荷試験は,糖尿病網膜症の有無を判断するために行う.
正解(4)
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対策
糖尿病の診断基準の数値や、食事療法の目標値(エネルギー量、栄養素比率など)、経口血糖降下薬の作用機序を正確に覚えましょう。また、糖尿病の慢性合併症(三大合併症など)の発生機序と症状を理解することも重要です。
★ランクインした他のテーマはこちら★
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第2位 糖尿病
第3位 栄養教育の評価
第4位 大量調理施設衛生衛生管理マニュアル
第5位 授乳・離乳の支援ガイド
第6位 内分泌疾患総論
第7位 嚥下障害
第8位 栄養アセスメントの具体的方法
第9位 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
第10位 ビタミン[基礎栄養]










