よく出るテーマランキング」は過去10年分の国試出題内容を分析した出題頻度のランキングです。
ランキング上位に入ったテーマは”ほぼ”毎年出題されているテーマなので、必ず得点できるようにしましょう!

今回は 「よく出るテーマランキング」 第3位 「栄養教育の評価」を紹介します!

目次

●テーマの概要
●出題傾向・過去問にチャレンジ
●対策
●ランクインした他のテーマ

 

テーマの概要

栄養教育の評価は、実施したプログラムの有効性を企画から実施後までを段階に応じて分析し、より良いプログラム作成に役立てるものです。

『レビューブック管理栄養士2026』ではp761~763に掲載されています。

 

出題傾向・過去問にチャレンジ

 電子版QBで問題を解く 

①評価の種類(RB2026 p762)(QB2026 p629,630)

設定された状況で,どの評価が適切かを選びます.「何を目標としたプログラムなのか」や「プログラムのどの段階にあるのか」が評価の種類を選ぶポイントになります。目標と評価を具体例とともに関連付けて覚えましょう。
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[39回108問]
小学4年生児童に,給食の残菜を減らすことを目的とした食育を行った.食育前後の変化と,評価の種類の組合せである.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 減塩調味料を常備している家庭の割合を,60 %以上に増やす.・・・・・・実施目標
(2) 食塩摂取量の目標が6 g/日未満であることを知っている人の割合を,70 %以上に増やす.・・・・・・学習目標
(3) 減塩メニューがある飲食店を利用する人の割合を,50 %以上に増やす.・・・・・・環境目標
(4) 教室に最後まで参加した人の割合を,70 %以上にする.・・・・・・結果目標
(5) 半年後に参加者の収縮期血圧の平均値を,3 mmHg下げる.・・・・・・行動目標

正解(2

[39回110問]
地域在住高齢者を対象に,フレイル予防の食事講座を5回シリーズで開催した.事業に対する評価の内容と種類の組合せである.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 講座終了後に参加者同士のグループが形成され,仲が深まったと感じている者の割合・・・・・・企画評価
(2) 講座で使用した教材は分かりやすかったと回答した者の割合・・・・・・経過評価
(3) 講座終了後に食品摂取の多様性得点が改善した者の割合・・・・・・形成的評価
(4) 講座の参加費が適正であると回答した者の割合・・・・・・経済評価
(5) フレイル予防には食事が大切であると理解できた者の割合・・・・・・結果評価

正解(2

[38回107問]
肥満児童に対する個別指導の内容と目標の種類の組合せである.

(1) 毎朝体重を記録する.・・・・・・ 結果目標
(2) 家族が甘い飲み物を買い置きしない.・・・・・・行動目標
(3) 肥満度を改善する.・・・・・・学習目標
(4) 継続的に月1回の頻度で指導を行う.・・・・・・ 実施目標
(5) 希望があれば,保護者にも個別カウンセリングを行う.・・・・・・ 環境目標

正解(4

[38回109問]
地域在住高齢者を対象に,低栄養予防のための栄養教育を行った.形成的評価に用いる指標である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事をする頻度
(2) 栄養教育を行うスタッフの,事前研修への出席状況
(3) BMIの変化
(4) 食事を準備するスキル
(5) 食事について相談できる友人の数

正解(2
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

②経済評価の方法(費用効果分析)(RB2026 p762,763)(QB2026 p631,632)

経済評価には費用便益分析、費用効果分析、費用効用分析があります。それぞれの特徴を理解して、どの分析が適切かわかるようにしておきましょう。計算方法や具体例を一緒に確認すると覚えやすいです。
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[38回110問]
栄養教育プログラムの経済評価に関する記述である.
最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 費用効用分析では,得られた効果を金額に換算して評価する.
(2) 費用便益分析では,質を調整した生存年数(quality-adjusted life years:QALY)を指標として評価する.
(3) 費用便益分析では,総費用よりも総便益が小さいほど,経済的に有益であったと評価する.
(4) 費用効果分析では,一定の効果(1単位)を得るために要した費用を評価する.
(5) 費用効果分析では,栄養教育プログラムを1回実施するのに必要な費用を評価する.

正解(4

[37回110問]
体重増加を目指す大学ラグビー部の学生12人を対象に,栄養教室を3か月で計6回実施した.教室の総費用は60,000円であった.参加者の体重増加量の合計は10kgであった.体重1kg当たりの教室の費用効果(円)として,最も適当なのはどれか.1つ選べ.

(1) 1,000
(2) 5,000
(3) 6,000
(4) 10,000
(5) 20,000

正解(3

[33回112問]
低栄養傾向の高齢者に,月1回,計6回コースの低栄養予防教室を実施した.教室の総費用は12万円であった.教室終了後の目標BMIの達成者は,30名中20名であった.目標達成のための教室の費用効果である.正しいのはどれか.1つ選べ.

(1) 667円
(2) 2,000円
(3) 4,000円
(4) 6,000円
(5) 20,000円

正解(4
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

対策

栄養教育の評価における評価の5つの種類(企画、形成的、経過、結果、経済)について、それぞれの目的と具体的な指標(評価内容)を結びつけて覚えましょう。また、経済評価の3つの分析手法(費用便益分析、費用効果分析、費用効用分析)の違いと、特に費用効果分析の計算方法を理解しておくことが重要です。

★ランクインした他のテーマはこちら★

第1位 慢性腎臓病(CKD)/慢性腎不全(CRF)
第2位 糖尿病
第3位 栄養教育の評価
第4位 大量調理施設衛生衛生管理マニュアル
第5位 授乳・離乳の支援ガイド
第6位 内分泌疾患総論
第7位 嚥下障害
第8位 栄養アセスメントの具体的方法
第9位 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
第10位 ビタミン[基礎栄養]