現役学生がこたえる!実習にまつわるQ&A【保健センター編】

臨地実習ってなに?」では、臨地実習の大まかな内容を紹介しました。
ここからは、臨地実習を終えた先輩に、「実習先でどんなことをしたのか」「何が大変だったのか」をインタビューしてみました。

目次

・保健センター編(本記事)
・病院編(随時公開予定です)
・そのほかの施設(随時公開予定です)

保健センター編

保健センターとは、地域住民のための健康づくりの場として、妊産婦や乳幼児向けの健診や予防接種、保健指導などのいろいろなサービスを提供する機関です。
管理栄養士は、主に栄養分野での専門家として、生活習慣病や離乳食、介護職、アレルギーなどいろいろな分野の栄養相談を担当します。
実習では、健診や栄養相談など、管理栄養士が実際にはたらいている現場を見学することが多いようです。

今回、東京都内の4年生大学に通う先輩学生が、保健センターでの実習を通して経験したことを紹介します。

■いつ頃実習に行きましたか?

3年生の9月頃に、東京都内の保健センターで5日ほど実習をしました。
1週間の中で1~2日実習先の保健センターに通い、ほかの日は授業を受けるという週が2,3週あるような感じです。
実習先によっては、5日連続で通って、1週間で終わったという人もいたようですが。

また、私は9月でしたが、5月や12月に行っていた友だちもいました。
実習先によって結構違うんだなと思いました。

■実習期間中はどんなことをしましたか?

実習期間中は、1歳児半健診や3歳児健診、離乳食講習会を見学しました。
地域に密着した現場で管理栄養士がどのような役割を果たしているかを見ることができました。

■課題(宿題)のようなものはありましたか?

課題は、保育園での食育計画案とそれに合わせた献立案の作成でした。
1日のうち半日は健診などの見学で、もう半日は課題を進めるというようにスケジュールが組まれていたので、帰宅後に作業をすることはほとんどありませんでした。

▼作成した献立案(イメージ)

■印象に残ったエピソードを教えて下さい

健診後のカンファレンスでの内容の詳細さや視野の広さ、着眼点の多さに驚きました。
カンファレンスとは、健診に関わったスタッフどうしで気になった事例を共有し、さまざまな視点で解決策を考える、意見交換ための会議です。

健診に参加したこどもたちをしっかり覚えているんだなと、とても印象に残りました。
保健センターに実習に行くまでは、健診の重要性をあまり理解できていませんでした。でも、職員の方々のお話を聞くうちに、「ここまでしっかり気にかけてくれるんだ」という気づきがあり、健診に行くことはとても大事なことなのだと実感しました。

▼カンファレンスを見学

■大変だったエピソードを教えてください

余裕をもったスケジュールだったので、そこまで大変だと思わずに実習に臨めました。

ただ実習中は授業を欠席することになるので、そのあいだのノートを友だちに見せてもらったり、課題を手早くこなしたりして授業と実習を両立させる段取りが必要でした。

■実習を通して、どんな学びがありましたか

普段乳幼児と接する機会がなかったこともあり、どのようなケアが必要なのかが具体的にイメージできていませんでした。
そんな中、実習で、保護者の方々のお話を聞く中で、小さいお子さんがいる保護者の悩みなど生の声を聞くことができました。「保健センターでは、こういった悩みを解決するのがお仕事なのか」と実感するとともに、「将来、こどもが生まれたら?」など、自分の将来を考えるきっかけになりました。

また、実習に参加する服装について、「ベージュや白などのおだやかな色合いの服装」という指示を受けたことも印象に残っています。
これには、乳幼児を連れた保護者の方に威圧感を与えないという意図があったようです。
今まで、自分の服装が誰か別の人に威圧感を与えるなどといったことを考えたことはありませんでした。
将来管理栄養士として働く時には、こういった配慮をしながらケアをする方に寄り添っていくんだなと働いている姿を現実的に想像することができました