「よく出るテーマランキング」は過去10年分の管理栄養士国試の出題内容を分析した出題頻度のランキングです。
ランキング上位に入ったテーマは”ほぼ”毎年出題されているテーマなので、必ず得点できるようにしましょう!
今回は 「よく出るテーマランキング」 第2位 「栄養教育の評価」を紹介します!
目次
●テーマの概要
●出題傾向・過去問にチャレンジ
●対策
●ランクインした他のテーマ
テーマの概要
栄養教育では、より良い教育プログラムを作成するために、実施したプログラムの有効性を企画から実施まで評価します。
国試では実施した評価と、評価の種類の組み合わせが頻出傾向ですが、近年ではプログラムの有効性を経済的に評価する経済評価の出題も見られるようになりました.
『レビューブック管理栄養士2025』ではp757~759に掲載されています。
出題傾向・過去問にチャレンジ
栄養教育の評価としての出題は、その多くが「◯◯◯というプログラムを実施した、評価内容と評価の種類の組合せである。最も適当なものはどれか」という形式の問題です。それ以外では、経済評価の方法を問う問題が多いです。
①評価の種類(RB2025 p757~758)
設定された状況で,どの評価が適切かを選びます.「何を目標としたプログラムなのか」や「プログラムのどの段階にあるのか」が評価の種類を選ぶポイントになります。
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[36回110問]
小学4年生児童に,給食の残菜を減らすことを目的とした食育を行った.食育前後の変化と,評価の種類の組合せである.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
⑴ 給食を残すことがもったいないと思う児童の割合が増加した. ・・・・・・影響評価
⑵ 給食室から出たごみの内容を理解した児童の割合が増加した. ・・・・・・結果評価
⑶ 給食を残さず食べる児童の割合が増加した. ・・・・・・・・・・・・・・経過評価
⑷ 給食をおかわりする児童の割合が増加した. ・・・・・・・・・・・・・形成的評価
⑸ 学習内容について,手を挙げて発言する児童が増加した. ・・・・・・・・企画評価
正解(1)
[37回109問]
K市保健センターの管理栄養士である.生後4,5か月児を持つ保護者を対象に,離乳食作りの不安を軽減するための教室を開催した.教室の評価と,評価の種類の組合せである.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
(1) 関係部署との連携により,予算内で実施することができた. ・・・経過評価
(2) 離乳食作りに必要な器具を揃え始めた保護者が増加した. ・・・結果評価
(3) 離乳食で困った時に相談できる場所を知っている保護者が増加した.・・・ 影響評価
(4) 育児不安を感じる保護者が減少した. ・・・形成的評価
(5) 教室参加者の80 %が満足と回答した.・・・ 企画評価
正解(3)
[38回109問]
地域在住高齢者を対象に,低栄養予防のための栄養教育を行った.形成的評価に用いる指標である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
(1) 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事をする頻度
(2) 栄養教育を行うスタッフの,事前研修への出席状況
(3) BMIの変化
(4) 食事を準備するスキル
(5) 食事について相談できる友人の数
正解(2)
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②費用効果分析(RB2025 p758~759)
経済評価のひとつである費用効果分析とは、ある一定の効果(体重、血圧など)を1単位として、そのために必要な費用を算出し、評価します。
実際の問題ではいくつかの数値(期間中月に◯回、計◯回など⋯⋯)が問題文に含まれることがあり、惑わされてしまいますが、「何を目的としたプログラム」かをおさえておけばシンプルに解くことのできる問題です。
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[38回110問]
栄養教育プログラムの経済評価に関する記述である.
最も適当なのはどれか.1つ選べ.
⑴ 費用効用分析では,得られた効果を金額に換算して評価する.
⑵ 費用便益分析では,質を調整した生存年数(quality-adjusted life years:QALY)を指標として評価する.
⑶ 費用便益分析では,総費用よりも総便益が小さいほど,経済的に有益であったと評価する.
⑷ 費用効果分析では,一定の効果(1単位)を得るために要した費用を評価する.
⑸ 費用効果分析では,栄養教育プログラムを1回実施するのに必要な費用を評価する.
正解(4)
[37回110問]
体重増加を目指す大学ラグビー部の学生12人を対象に,栄養教室を3か月で計6回実施した.教室の総費用は60,000円であった.参加者の体重増加量の合計は10kgであった.体重1kg当たりの教室の費用効果(円)として,最も適当なのはどれか.1つ選べ.
(1) 1,000
(2) 5,000
(3) 6,000
(4) 10,000
(5) 20,000
正解(3)
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対策
栄養教育の評価は、実施したプログラムの有効性に対する評価と、有効性に対する経済評価のどちらも重要です。どの評価が何を評価しているのかをしっかりおさえましょう。
例に挙げた過去問にもあるように、状況が設定された問題が多いので、なるべく多くの過去問を解いてみることをおすすめします。その時に、どの評価が、何を求めたいのかという点を理解することが重要です。
実施したプログラムの有効性に対する評価は、PDCAサイクルに沿って各評価の関係性をおさえるのがおすすめです。その際『レビューブック管理栄養士2025』p758の「▼評価の種類」が参考になります!
経済評価は『レビューブック2025』(p759)の「▼経済評価の方法」を何度も確認しそれぞれを混同しないように覚えましょう。
それぞれの経済評価を簡単に説明すると以下のようになります。
●費用効果分析=総費用/総効果(一定の効果を得るために要した費用の評価) ●費用効用分析=総費用/効用(効果を主観的な面も踏まえて評価する) ●費用便益分析=総便益-総費用(効果が実施費用をどれだけ上回るか) |
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