「よく出るテーマランキング」は過去10年分の管理栄養士国試の出題内容を分析した出題頻度のランキングです。
ランキング上位に入ったテーマは”ほぼ”毎年出題されているテーマなので、必ず得点できるようにしましょう!
今回は 「よく出るテーマランキング」 第4位 「糖尿病」を紹介します!
目次
●テーマの概要
●出題傾向・過去問にチャレンジ
●対策
●ランクインした他のテーマ
テーマの概要
糖尿病は、インスリンの分泌障害やインスリン抵抗性の亢進により、慢性の高血糖状態となる疾患のことです。成因により1型糖尿病と2型糖尿病に大別されます。インスリンに依存状態かどうかによらず、「食事療法」は主な治療法の1つになるため、管理栄養士が知っておくべき知識としてよく出題されていると考えられます。また、食事療法や運動療法と並んで重要な治療法である「薬物療法」の中から、「経口血糖降下薬」もよく出題されています。
『レビューブック管理栄養士2025』ではp233~245に掲載されています。
出題傾向・過去問にチャレンジ
①糖尿病の食事療法(RB2025 p240~241)
食事療法は、『糖尿病治療ガイド』で設定されている基準を覚えましょう。エネルギー摂取量、エネルギー産生栄養素量だけでなく、合併症予防のため留意することなど幅広く出題されています。
また,糖尿病の食事療法は「糖尿病食事療養のための食品交換表」を用いて栄養指導を行います.そのため,食品交換表の詳細を問う問題も出題されています.
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[38回122問]
80歳,女 性.2型 糖 尿 病.身 長140 cm,体 重45 kg,BMI 23.0 kg/m².血液検査値は,HbA1c 6.8 %.活動は軽労作.この患者の1日当たりの指示エネルギー量(kcal)とたんぱく質量(g)の組合せである.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
エネルギー たんぱく質
(kcal/日) (g/日)
⑴ 1,000 ・・・・・・ 45
⑵ 1,000 ・・・・・・65
⑶ 1,200 ・・・・・・45
⑷ 1,400 ・・・・・・45
⑸ 1,400 ・・・・・・65
正解(5)
[33回125問]
55歳,男性.身長170cm,体重65kg,BMI22.5kg/m2,普通の労作.血糖コントロール不良により強化インスリン療法(毎食前超速効型インスリンと就寝前持続型インスリンを注射)が導入された2型糖尿病患者の栄養管理に関する記述である.誤っているのはどれか.1つ選べ.
(1) エネルギー摂取量は,30~35kcal/kg標準体重/日とする.
(2) 炭水化物エネルギー比率は,50~60%Eとする.
(3) 食事はインスリン注射後,直ちに摂取する.
(4) 低血糖発作時には,ブドウ糖を摂取する.
(5) シックデイ時には,水分の摂取量を制限する.
正解(5)
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②経口血糖降下薬(RB2025 p239)
主に2型糖尿病で、”食事療法”、”運動療法”でコントロールできない場合に”薬物療法”が用いられます.「〇〇薬は△△(臓器)で✕✕✕(作用)をする」のように、薬の名称・作用臓器・特徴(作用機序)をまとめて覚えておきましょう。
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[37回119問]
糖尿病治療薬の主作用に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
(1) SGLT2阻害薬は,腎臓でのグルコースの再吸収を促進する.
(2) チアゾリジン薬は,インスリン抵抗性を改善する.
(3) ビグアナイド薬は,インスリン分泌を促進する.
(4) GLP-1受容体作動薬は,インクレチン分解を促進する.
(5) スルホニル尿素(SU)薬は,腸管でのグルコースの吸収を抑制する.
正解(2)
[36回120問]
糖尿病治療に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
(1) 糖尿病食事療法のための食品交換表は,1型糖尿病患者には使用しない.
(2) シックデイでは,水分の摂取量を制限する.
(3) α – グルコシダーゼ阻害薬は,食後に服用する.
(4) SGLT2 阻害薬服用により,尿糖陽性となる.
(5) 有酸素運動は,インスリン感受性を低下させる.
正解(4)
[34回120問]
糖尿病治療に関する記述である.誤っているのはどれか.1つ選べ.
(1) 糖尿病食事療法のための食品交換表を用いて,栄養食事指導を行う.
(2) カーボカウントを用いて,インスリン量を決定する.
(3) 有酸素運動は,インスリン抵抗性を改善する.
(4) α-グルコシダーゼ阻害薬は,肝臓での糖新生を抑制する.
(5) 超速効型インスリン注射は,食後高血糖を改善する.
正解(4)
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対策
「食事療法」「経口血糖降下薬(薬物療法)」ともにまずは、項目(種類)ごとに覚えていくのがよいでしょう。
「食事療法」では『レビューブック2025』(p240)「▼糖尿病の食事療法」を確認しましょう.また,過去の問題では後期高齢者の患者が例に取り上げられており,BMIと関連したより複雑な傾向がみられました.このような問題にも対応できるように,ポイントを抑えつつ数値までしっかりと覚えましょう.
「経口血糖降下薬」では,例題のように組み合わせを問われる問題もあれば、症例(応用力試験でなくとも)ベースの問題もあるので、項目ごとに暗記ができたか確認するためには、過去問で様々な問題をといておくことが大切です。『レビューブック2025』(p239)「▼経口血糖降下薬」を確認しておきましょう.
また、基本から復習しておきたい!という方には、『なぜ?どうして?③』がおすすめです。
1章~3章(p2~119)で「1型糖尿病」「2型糖尿病の成り立ちと治療」「2型糖尿病の悪化防止」をそれぞれストーリー形式でわかりやすく説明しています。
▼『なぜ?どうして?③人体の構造と機能/臨床栄養学②』1章 1型糖尿病「糖尿病ってどんな病気?」(p2~)
▼『なぜ?どうして?③人体の構造と機能/臨床栄養学②』2章 2型糖尿病の成り立ちと治療「今や国民病」(p45~)
▼『なぜ?どうして?③人体の構造と機能/臨床栄養学②』3章 2型糖尿病の悪化防止「基本は生活習慣の改善」(p82~)
★ランクインした他のテーマはこちら★
第1位 慢性腎臓病(CKD)/慢性腎不全(CRF)
第2位 栄養教育の評価
第3位 大量調理施設衛生管理マニュアル
第5位 内分泌疾患総論
第6位 授乳・離乳の支援ガイド
第7位 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
第8位 ビタミン(基礎栄養)
第9位 栄養アセスメントの具体的方法
第10位 食品添加物