「よく出るテーマランキング」は過去10年分の国試出題内容を分析した出題頻度のランキングです。
ランキング上位に入ったテーマは”ほぼ”毎年出題されているテーマなので、必ず得点できるようにしましょう!

今回は 「よく出るテーマランキング」 第10位 「脂質異常症」を紹介します!

目次

●テーマの概要
●出題傾向・過去問にチャレンジ
●対策
●ランクインした他のテーマ

テーマの概要

脂質異常症は、血液中の脂質の濃度が異常値を示している病態です。高LDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール血症のいずれかを発症している状態のことを指します。

 

出題傾向

脂質異常症の「食事療法」に関する知識が問われることが多いです。エネルギー摂取量やエネルギー産生栄養素摂取割合の基準に加えて、それぞれの病態に合わせた食事の注意点について把握することが大切です。また、診断基準についても病態と基準値をセットで覚えておくとよいでしょう。

なお、過去10年分(28-37回)では、73の選択肢で出題されています。

『レビューブック管理栄養士2023-24』ではp246~251に掲載されています。

出題傾向・過去問にチャレンジ

脂質異常症の食事療法(RB-p249)

食事療法を行う際の基本となる摂取目安量となります。エネルギー摂取量やその他の栄養素目標量について把握しておきましょう。

::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::

[35回122問]

脂質異常症の栄養管理に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

⑴ 高LDLコレステロール血症では,飽和脂肪酸の摂取エネルギー比率を10 % E とする.

⑵ 高LDLコレステロール血症では,コレステロールの摂取量を400 mg/日とする.

⑶ 低HDL コレステロール血症では,トランス脂肪酸の摂取を増やす.

⑷ 高トリグリセリド血症では,n-3系脂肪酸の摂取を控える.

⑸ 高カイロミクロン血症では,脂肪の摂取エネルギー比率を15 % E とする.

正解(5

[33回126問]

脂質異常症の栄養管理に関する記述である.誤っているのはどれか.1つ選べ.

⑴ 高カイロミクロン血症では,脂質のエネルギー比率を20~30%Eとする.

⑵ 高LDL-コレステロール血症では,飽和脂肪酸の摂取を控える.

⑶ 低HDL-コレステロール血症では,トランス脂肪酸の摂取を控える.

⑷ 高トリグリセリド血症では,アルコール摂取量を25g/日以下とする.

⑸ 高トリグリセリド血症では,果糖を含む加工食品の摂取を減らす.

正解(1
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脂質異常症の危険因子を改善する食事(RB-p250)

脂質異常症では基本となる食事療法に加え、高LDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール血症などそれぞれの病態によって食事療法で強化すべき項目があります。各病態特有の食事療法のポイントといえるので、混同しないように覚えておきましょう。

::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::

[34回121問]

高LDL- コレステロール血症の栄養管理に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

⑴ 炭水化物の摂取エネルギー比率を40% E 未満とする.

⑵ 飽和脂肪酸の摂取エネルギー比率を10% E 以上とする.

⑶ トランス脂肪酸の摂取を増やす.

⑷ コレステロールの摂取量を200 mg/日未満とする.

⑸ 食物繊維の摂取量を10g/日以下とする.

正解(4

 

[34回122問]

高トリグリセリド血症の栄養管理に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

⑴ 炭水化物の摂取エネルギー比率を70% E以上とする.

⑵ 果糖を多く含む加工食品の摂取を増やす.

⑶ n-3系脂肪酸の摂取を増やす.

⑷ アルコールの摂取量を50g/日以下とする.

⑸ 高カイロミクロン血症では,脂質の摂取エネルギー比率を20% E以上とする.

正解(3

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対策

脂質異常症のリスクの少ない時期は、食事内容の改善を中心として生活習慣を変えていくことを目指しましょう。そのためにも、食事療法についてはしっかりとおさえていきたいす。食事療法と病態ごとの食事については『レビューブック管理栄養士2023-24』ではp249-250掲載されています。

 

また、今一度基本から復習しておきたい!という方には、『なぜ?どうして?①基礎栄養学』がおすすめです。

3章(p89~122)では脂質の代謝から、脂質異常症と診断される基準、食事療法までストーリー形式でわかりやすく説明しています。

 

▼『なぜ?どうして?①基礎栄養学 』3章 脂質の代謝1「リポたんぱく質のバランスが崩れると……」(p115~)

 

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