よく出るテーマランキング」は過去10年分の国試出題内容を分析した出題頻度のランキングです。
ランキング上位に入ったテーマは”ほぼ”毎年出題されているテーマなので、必ず得点できるようにしましょう!

この記事では「よく出るテーマランキング」 第4位 「内分泌疾患総論」を紹介します!

目次

●テーマの概要
●出題傾向・過去問にチャレンジ
●対策
●ランクインした他のテーマ

テーマの概要

内分泌疾患は、体内のホメオスタシス維持に関与するホルモンの分泌が過剰になったり、欠乏したりと分泌に異常をきたす疾患です。内分泌疾患のうちエネルギーの消耗が激しい疾患や、合併症に対しては食事療法が必要な場合があるので、管理栄養士が注目するべき疾患のひとつといえます。
『レビューブック2023-24』ではp336-342に掲載されています。

 

出題傾向・過去問にチャレンジ

主な内分泌疾患には次のようなものがあります

主な内分泌疾患
内分泌疾患 ホルモンの異常
先端巨大症 成長ホルモン
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH) バソプレシン
尿崩症 バソプレシン
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など) 甲状腺ホルモン
甲状腺機能低下症[慢性甲状腺炎(橋本病)] 甲状腺ホルモン
原発性副甲状腺機能亢進症 副甲状腺ホルモン
副甲状腺機能低下症 副甲状腺ホルモン
クッシング症候群 コルチゾール
原発性アルドステロン症 アルドステロン
アジソン病 副腎皮質ホルモン
褐色細胞腫 カテコールアミン

体内ではさまざまなホルモンが全身のあらゆる場所で作用しているので、その分疾患の種類も多岐にわたります。その中でも、管理栄養士国家試験では、①バセドウ病、②クッシング症候群、③甲状腺機能低下症がよく出題されています。そして共通して、どのような症状をきたすのか、血液検査でどのような異常が現れるのか、食事で注意すべきことは何かなどが出題されています。

①バセドウ病(RB2023-24 p337~339)

バセドウ病は、甲状腺機能刺激ホルモン(TSH)受容体に対する自己抗体が持続的に甲状腺を刺激することで、甲状腺ホルモン産生が亢進する甲状腺機能亢進症です。
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[33回134問]
バセドウ病に関する記述である.正しいのはどれか.1つ選べ.

⑴ 基礎代謝量が低下する.
⑵ 腸管蠕動運動が減弱する.
⑶ 血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する.
⑷ 血清遊離トリヨードサイロニン(FT3)値が上昇する.
⑸ 血清総コレステロール値が上昇する.

正解(4

[36回128問]
30 歳,女性,甲状腺機能亢進症.BMI 20 kg/m2,標準体重45 kg.この患者の栄養管理に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
⑴ エネルギーは,20 ~ 25 kcal/kg標準体重/日とする.
⑵ たんぱく質は,0.8 ~ 1.0 g/kg標準体重/日とする.
⑶ カルシウムは,650 ~ 1,000 mg/日とする.
⑷ ヨウ素は,3,000 μ g/日以上とする.
⑸ 水分の補給は,700 mL/日以下とする.

正解(3
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

②クッシング症候群(RB2023-24 p341~342)

クッシング症候群は、コルチゾール(副腎皮質ホルモンのひとつ)の過剰分泌を呈する病態の総称です。
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[35回127問]
クッシング症候群で低下する検査値である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

⑴ 血圧
⑵ 血糖
⑶ 血清コレステロール
⑷ 尿中デオキシピリジノリン
⑸ 骨密度

正解(5

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

③甲状腺機能低下症(RB2023-24 p339~340)

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの作用不足により、さまざまな症状がみられる疾患の総称です。原因として、慢性甲状腺炎(橋本病)やクレチン症(先天性甲状腺機能低下症)があります。
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[34回131問]
内分泌疾患の栄養管理に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

⑴ 甲状線機能亢進症では,エネルギーの摂取量を制限する.
⑵ 甲状線機能亢進症では,たんぱく質の摂取量を制限する.
⑶ 橋本病では,ヨウ素の摂取量を制限する.
⑷ クッシング症候群では,ナトリウムの摂取量を制限する.
⑸ クッシング症候群では,カルシウムの摂取量を制限する.

正解(4

[35回33問]
内分泌疾患の主な症候に関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.

⑴ クッシング症候群では,テタニーがみられる.
⑵ 甲状腺機能亢進症では,低体温がみられる.
⑶ 褐色細胞腫では,低血糖がみられる.
⑷ アジソン病では,血中コルチゾールの低下がみられる.
⑸ 尿崩症では,高張尿がみられる.

正解(4
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対策

内分泌疾患に限らずですが、疾患は「正常な状態ではない」ところを理解する必要があるので、
まずは「正常な状態」を理解しておくとよいです。
特に内分泌疾患は体内で分泌されているあらゆるホルモンが対象になるので、
「どんな作用があるホルモンなのか」を整理しておくことで、症状やそれに対する治療法・食事療法の理解が進みます

『レビューブック2023-24』p335の「主なホルモンの産生部位と作用」で確認するのもオススメです。


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