「よく出るテーマランキング」は過去10年分の国試出題内容を分析した出題頻度のランキングです。
ランキング上位に入ったテーマは”ほぼ”毎年出題されているテーマなので、必ず得点できるようにしましょう!
今回は 「よく出るテーマランキング」 第9位 「栄養アセスメントの具体的方法(臨床栄養)」を紹介します!
目次
●テーマの概要
●出題傾向・過去問にチャレンジ
●対策
●ランクインした他のテーマ
テーマの概要
栄養アセスメントは、個人あるいは集団の栄養状態を客観的に、かつ様々な要因を総合的に評価します。栄養アセスメントに用いられる指標には、身体計測による項目と、血液や尿検査などの臨床検査による項目があります。
『レビューブック管理栄養士2025』ではp785~787に掲載されています。
出題傾向・過去問にチャレンジ
①臨床検査による項目(RB2025 p786,787)
各指標の特徴と何を判定するのかをおさえておきましょう.
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[38回82問]
栄養アセスメントに関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
⑴ 生体電気インピーダンス(BIA)法は,脂肪組織が除脂肪組織より電気を通しやすいことを利用している.
⑵ 上腕三頭筋皮下脂肪厚は,対象者の利き腕で計測する.
⑶ 尿中3-メチルヒスチジン排泄量は,骨格筋量の評価指標として用いられる.
⑷ レチノール結合たんぱく質は,アルブミンに比べ長期間の栄養状態を反映する.
⑸ 上腕周囲長は,糖質代謝の評価指標として用いられる.
正解(3)
[37回112問]
身長150cm,体重40kg,標準体重50kgの女性患者.1日尿中クレアチニン排泄量が750mgのときのクレアチニン身長係数(%)である.ただし,クレアチニン係数は,18mg/kg標準体重とする.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
⑴ 120
⑵ 104
⑶ 96
⑷ 83
⑸ 42
正解(4)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
②身体計測による項目(RB2025 p785)
計測した結果が何をあらわす指標なのか理解しておきましょう.
::::▼過去問にチャレンジ::::::::::::::::::::::::
[38回119問]
たんぱく質・エネルギー栄養障害患者に栄養管理を開始し,1週間後に栄養状態を評価したところ,栄養状態の改善がみられた.この時の栄養アセスメントの結果である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
(1) 上腕三頭筋皮下脂肪厚の増加
(2) 上腕筋囲の増加
(3) 血清アルブミン値の上昇
(4) 血清トランスサイレチン値の上昇
(5) 血中CRP値の上昇
正解(4)
[34回83問]
栄養アセスメントに関する記述である.最も適当なのはどれか.1つ選べ.
⑴ 食事記録法による食事調査では,肥満度が高い者ほど過大申告しやすい.
⑵ 内臓脂肪面積は,肩甲骨下部皮下脂肪厚で評価する.
⑶ 上腕筋面積は,体重と上腕三頭筋皮下脂肪厚で算出する.
⑷ 尿中クレアチニン排泄量は,筋肉量を反映する.
⑸ 窒素出納が負の時は,体たんぱく質量が増加している.
正解(4)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
対策
栄養アセスメントは、目的によって分類することができます。静的栄養指標なら一時点での評価、動的栄養指標なら経時的な変化、予後判定栄養指標なら治療開始前後の栄養状態評価、というように、目的に応じた使い分けを意識して学習しましょう。
また、栄養アセスメントの具体的な方法として用いられる指標は数多くありますが、ポイントを抑えて整理すると問題が解きやすくなります。
参考として整理する方法の一例をあげます。
・身体計測項目は、どのように測定し、どのような状態の指標とするか
(例:皮下脂肪厚は上腕三頭筋皮下脂肪厚を測定し、体脂肪量の指標とする)
・臨床検査項目は、何を判定して、どのような特徴を持つか
(例:レチノール結合たんぱく質は、たんぱく質栄養状態を判定し、半減期が12~16時間と短いため日中変動のたんぱく質栄養状態判定の指標として有効である)
『レビューブック2025』(p785)「▼栄養アセスメントに用いる身体計測項目」、『レビューブック2025』(p786)「▼臨床検査による栄養アセスメントの指標」を確認しましょう。
★ランクインした他のテーマはこちら★
第1位 慢性腎臓病(CKD)/慢性腎不全(CRF)
第2位 栄養教育の評価
第3位 大量調理施設衛生管理マニュアル
第4位 糖尿病
第5位 内分泌疾患総論
第6位 授乳・離乳の支援ガイド
第7位 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
第8位 ビタミン(基礎栄養)
第10位 食品添加物